三層構造の世界
前回のノート田山花袋『蒲団』を読んでみた 04 で終わりにしようと思っていたが、振り返ってみると、『蒲団』の世界観は次の三層構造として捉えるとらえることはできないだろうか?という気づきがあった。それらを列記する。
- 現実世界 ≫ 花袋や美知代など、登場人物の実在モデルが存在する世界
- 蒲団世界 ≫ 時雄、芳子、田中、時雄の妻、芳子の父などが生きる自然主義文学の世界
- 文学世界 ≫ 『蒲団』の作中に登場する文学作品の世界
この世界観を Obsidian っぽく Canvas を使って整理してみた。
『蒲団』の世界観
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新たな構造の発見
三層構造の世界を Canvas 上に並べながら、出来事等をカードにして時系列に整理していく過程で、下記のことに気が付いた。
- 三層構造の世界は少しずつ重なり合っている。
- 花袋と美知代の現実世界は、蒲団世界に踏み込んできている。
- 文学世界は、時雄の内面を通して蒲団世界に流れ込んでいる。
この三層構造となっている『蒲団』の世界観は、すでに 01~04 で述べたことも含めてまとめると、下記のことが分かる。
- 時雄の欲望や自己欺瞞をばらす
- 花袋自身の私生活とモデルをばらす
- その物語を組み立てた文学的な元ネタまでばらす
花袋は身の回りの経験を通して、『蒲団』の主人公 時雄の内面をあるがままに隠さず描き、自然主義文学を著した。さらに、その時雄に『蒲団』という物語を組み立てる際に参照した文学作品まで語らせている。
これを私は、仮に「メタ自然主義」と呼んでみたい。